LEDフロントルームランプ

Mercedes-Benz C-Klasse W203
Deckenleuchte vorn

2007.1.7
使用したLEDはLED PARADISEさんの白色 6chip Power FLUXです。
このLEDのスペックは Vf=2.8-3.6V If=120mA 18-23lm 90°ということで、この形状のLEDとしては最も明るい部類に入るのではないでしょうか。
消灯時に薄暗く点灯してしまう問題も解決しています。他車にも応用できると思いますので、ご参考に。

2007.4.30
いつの間にか、LEDランプが外れてカバーの上に落ちていました。LEDランプの接点の形状を改良しました。詳細はこちら。

2008.6.3
1年半ほど使い続けて3個のLEDが故障し交換しました。無理を承知の設計ですので、少ないと見るべきか…

2009.1.22
LED PARADISEさんから雷神NSPWR70CS-K1が売り出されました。久しぶりにFLUX LEDが進化したようです。
このLEDのスペックは Vf=3.1V If=50mA 20lm 80°ということで、大幅に効率アップしています。詳細はこちら。


写真1
使用したLEDは全部で18個です。LED1個の明るさは120mAで18ルーメンですから計算の上では324ルーメンになります。今回は100mAに抑えることにしましたが、それでも約270ルーメンです。
ちなみに純正には10Wの白熱電球が付いています。

写真2
1列に3個のLEDを直列接続し、列ごとに約100mA流れるように設計しました。実測ではトータル630mA、消費電力は7.6Wです。
そのうちレギュレータ・抵抗による損失が1.9Wあるので実効5.7Wです。
この実装密度でこの消費電力ですから、当然、かなり発熱します。熱でLEDの寿命が短くなる問題があります。しかし、ルームランプは短時間しか点灯しないので温度上昇が抑えられること、また、寿命もそれほど長くなくて良いことから、まあ大丈夫だろうと割り切ることにします。

写真3
W203の場合、消灯時でも微弱な電流が流れます。調べた結果、約8kΩの回路抵抗がありました。これを電流制限抵抗と考えて計算すると、LEDには0.4mA程流れることになります。わずかな電流ですが薄暗く点灯するには十分です。

回路が推測できれば対策は可能。ある電圧(このLEDの場合は約2.2V)以下だと電流を通さない、というLEDの特性に注目して、LEDと並列に抵抗を入れてLEDにかかる電圧を下げることにします。
今回は2kΩの抵抗を使いました。写真1の中央に見えているのがそれです。

写真4
抵抗値は次のようにして決定します。LEDの電位差が最大になるのは全電流が並列抵抗に流れた場合なので、
仮に、全電流がこの抵抗に流れたとする

抵抗の両端の電位差は2.5V (=12.5V*2k/(8k+2k))

LED(3個直列)の両端の電位差も2.5V

LED1個当たりの電位差は0.83V

2.2V以下なのでLEDは電流を通さない

実際、全電流が抵抗に流れることになる
なお、抵抗値を必要以上に小さくすると点灯時の損失が増えますから、バランスのとれた値を探るとよいでしょう。

写真5
装着した状態です。舟形バルブと置き換えるだけの、いわゆる、ポン付けです。
裏面に貼り付けたパッドが、ガタつき防止とキズ防止に役立っています。
前方(写真では下)がプラス、後方がマイナスです。
銀面は傷つきやすいので、あまりさわらないほうがいいでしょう。

写真6
点灯用意。
微弱電流対策がうまくいっているようで、薄暗く点灯してしまうことはありません。完全に消灯しています。

写真7
点灯!
昼にもかかわらずまぶしく見えます。

ルームランプには残光照明(ジワーッと消えていく)機能があります。W203ではオン・オフのデューティ比でコントロールしているのでLEDであっても機能します。
実際に見てみると、途中まではいい感じですが、最後のあたりでフッと消えてしまい余韻がありません。
白熱球はそれ自身に残光機能があるようなものなのでスムーズに消えていくのですが、LEDは反応が速いのでデューティ比の変化がそのまま見えてしまうんでしょうね。

写真8
カバーをかぶせました。
LEDが密集していて明るいのでツブツブ感は目立ちません。面で光っているようです。

写真9
夜間、点灯した状態を外から撮ってみました。リアルームランプも点灯させています。
中の様子がくっきりと浮かび上がります。ううむ、ちょっと恥ずかしいかも。

写真10
昼白色の蛍光灯を点けているようです。
LEDの照射角は90°ですが、このくらいの範囲を照らしていれば十分でしょう。
この明るさを経験してしまうと、もう元には戻れません。

写真11
もちろん、本だって楽に読める明るさです。が、長時間の点灯は発熱を考えてやめておきましょう…

図1
回路図です。
リアルームランプと共通です。
各列に可変3端子レギュレータで100mAの定電流を流しています。

2007.4.30
いつの間にか、LEDランプが外れてカバーの上に落ちていました。LEDランプの接点の形状を改良しました。


写真12
電球の支持金具に開いている穴ですが、写真のように切り欠きがあります。
写真1では接点の角度が大き過ぎたようで、下に引っ張ってみると簡単に抜けてしまいました。電球の口金の角度に合わせたつもりだったのですが、電球に比べるとかなり重いせいか、振動で落ちてしまったようです。

写真13
そこで、接点の形状を赤丸で囲った部分のように変更しました。穴の直径が3mmなので、それに合わせるように鋭角にしました。
これで、下に引っ張っても外れなくなりました。

2009.1.22
LED PARADISEさんから雷神NSPWR70CS-K1が売り出されました。久しぶりにFLUX LEDが進化したようです。
このLEDのスペックは Vf=3.1V If=50mA 20lm 80°ということで、大幅に効率アップしています。


写真14
さっそく作ってみました。が、構成が同じなので外見はほとんど変わりません。
回路的には図1の抵抗値を12Ωから24Ωに変えただけです。それによって列ごとの電流が約50mAになります。実測ではトータル310mAでした。
つまり、消費電力が7.6W→4Wと半減したわけで、これなら点灯時間を気にしなくて済みそうです。日亜化学さん、すばらしいです。グッドジョブです。

写真15
逆に、明るさは270ルーメン→360ルーメン(計算値)とアップするはずですが、確かに明るくなった感じがします。消費電力が半減した上、さらに明るくなるとは、ますますもってすばらしい!
あと、印象が変わりました。表現が難しいのですが、色がクリアになったとでもいいましょうか、コントラストが強くなった感じです。写真は…撮ってもわからないと思いますので、省略。
蛍光物質の上に黒い小さな素子が乗っているのが見えます。そして、光っているLEDを真横から見ると、レンズの部分が赤紫に見えます。この色を混ぜたことが明るさアップのポイントなのかも知れません。

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